若くはないっていうことは*[本]
バカみたいなのはわかってるけどバカみたいに
重ねていく年齢のことを気にしていた時期も過ぎて
やっぱり中身はそのままだと安心し、無用に
というより自ら確信犯的に、ひとの言う無意識の言葉に
傷つけられることもなくなってきた。
一つは非常に女の子じみた外観的な変化、
そして立場・役割的な変化の中でなすべきことから逃れて
いるという思いなどなどの。
キスで作ったネックレス―ウィーツィ・バット ブックス (創元推理文庫)
- 作者: フランチェスカ・リアブロック,Francesca Lia Block,金原瑞人,小川美紀
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2008/04/01
- メディア: 文庫
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ウィーツィが「わたしのこと、知っているのかしら」ときくと
ヘヴンは「お客さんにそう思わせるのがわたしの仕事よ」と答えた。
ヘブンの悲しみと優しさに満ちた声がうたうバラードは
まるでウィーツィの物語のようだった。
キュートでおしゃれでパンクで愛に満ち溢れたウィーツィの物語シリーズの
最新刊。
ウィーツィも年を重ねて、20年間、はしごのように体をのぼりあったり
キスで地震さえ起こしてきたマイ・シークレット・エージェント・ラヴァーマン
(理想どおりの最愛の人)との間になくなってしまったキスを探して、
スーツケースに荷物をつめて、一人家を出る。
そこで起こる魔法のような出来事や出会った普通じゃない人たち。
相変わらず、ファッションや食べものなんかのPOPなカラーにいろどられた
おとぎ話の世界は、その繊細な感性で現実世界の暗さと取って替わられ
そうな均衡の中できらめいている。いつもこの世界をリードしてきた
ウィーツィの言葉も、とてもリアルに痛みと甘さを感じさせる。
ウィーツィの物語はまた、私と私たちの物語でもある。
そしてあるバンドに起こったメンバー脱退に対するリーダーのこの言葉に
涙が止まらなかった。
もしキミが若者で、この話を読んで「勿体無い」とか「パンチねぇ」とか思うんだったら、
それは間違っている。歳を取ると、若い時には考えもしなかったような思考をするようになるのだ。
誰だってそうなる。これはキミの頭の片隅に置いておいて損は無い。
もう、ハタチそこそこではない、家庭を持った大人が好きなことややりたいことを
続けるために、その人自身が選ばなければいけないことがある。
そしてそれは挫折でも断絶でもない。
年を重ねたから理解できることがあって、それは深い共感とつながりを感じさせてくれる。
年若い人たちへのこんな役割・メッセージをさらりとやってくれることに脱帽。
私もそんな風に示してあげられるかな?大人の楽しみを。